初読 多和田葉子「献灯使(けんとうし)」

無題tawada
最近、日帰りで高速バスを利用して実家に帰ることが増え、その時に と ヒョイトイポの読書王 河野君に多和田葉子さんの「献灯使」という作品を借りて読みました。
近未来の日本、変わり果てた環境のなかで暮らすおじいさんと曾孫のお話。

クリエーションとは考えること。自分に問いかけること。そして言いたいことを自分の言葉で表現すること。
自由な発想と確信の二つの面が合わさって、そこからそれぞれがどう感じることになるのか。
お決まりの 知ってるものとはもちろん違う。それがクリエーションの旅。

この作品を読んで、一見 奇想天外な近未来の設定ではあるが、明らかに 3.11の衝撃から 噴出してきた様々な疑問が基になっていると思う。
近未来の重苦しい現実が、全くありえないこととして楽しめないことが 悲しい。
ありえる未来として感じてしまえることが 病の今 をとらえている。
今 最も注目しているヨルゴス・ランティモス監督の作品も、奇想天外な世界観の中に今の社会の問題点を閉じ込めて描いていた。
和多田さんのこの作品にも感じました。
独特の語り口と自由な発想が凄いなあ、そしてやはり問題提起を作品で発していくという姿勢、見習いたい。
素晴らしかったです。

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